あかちゃんのうごき

soi-s-2

お腹のあかちゃんは20週をすぎたあたりから少しずつ動き感じはじめます。
ほんの数週間前に生まれたいのちがうごきはじめる。その神秘さに耳を傾けてますか。
はじめは、他の人には伝わらないその動き。喜びを分かち合いたい、けれどお腹に触れられてもその感覚は伝わらない。
嬉しさともどかしさ。

その感覚は、自分だけのもの。お腹に宿した特権と思って喜び、慈しみ、その余韻にひたってください。
人には伝えきれない喜びともどかしさは、これから育児のなかでも数えきれないほど経験します。その中途半端な感覚に慣れてほしいのです。
中途半端な状態は確かに不安です。けれど、答えを求めることばかりに心を奪われてしまうと見失うものがたくさんあります。
 
あかちゃんがお腹で動いていることに意識をかたむけて。ゆっくり動くあかちゃん、しゃっくりを繰り返すあかちゃん、手がよく動くあかちゃん。あなたのあかちゃんは今どのあたりにどんな風な仕草をしていますか?
妊娠中にたっぷりその感覚を感じると、「あれ、今逆子だな。」「そろそろ生まれる準備にはいったな。」なんてこともわかるようなります。また、生まれてからも「この時間はお腹にいるときもよく動いていたな」と夜泣きの傾向がわかったり、妊娠~出産は、区切りではなくつながっているんだな。と嬉しくなります。

感覚は、研ぎ澄ませばだんだん慣れてきて感じやすくなります。十月十日繰り返せばきっと感じとれるようになります。
もし、その感覚が自分ではわかりにくければ健診のとき助産師に尋ねてみてください。
助産師の手を通して、あなたのあかちゃんを覗きにいきましょう。

(小山千里)