妊娠とホルモンの話。

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お産の準備は、妊娠直後から始まっています。正しく言えば、受精・着床のときから始まっていて目に見えなくても体の中では急激なホルモンの変化があります。お産では骨盤の中を大きな赤ちゃんが通ります。そのため、妊娠中から骨盤の関節を緩める「リラキシン」と呼ばれるホルモンが分泌されるのですが、この「リラキシン」ちょっとやっかいなホルモンです。

もちろんお産にはなくてはならないホルモンで、生活で筋力が養われていた時代には悪さをすることも少なかったようですが、現代の生活では筋肉が支えきれず靭帯が伸びきってしまうこともしばしば・・・。特に妊婦さんに人気のマタニティヨーガ、両足の開脚では回数を重ねるごとに開きが大きくなります。確かに、開脚ができるようになると身体を動かした効果が目に見え、満足感が得られます。けれど、ここに落とし穴が・・・。

妊娠中に気づきにくいこの靭帯の緩み、産後に腰痛、恥骨痛、関節痛になってかえってきます。しかも、筋力がそこそこあるときにはあまり気づかずお産の記憶も薄れ始めたころに突然出始めるのです。産後すぐに症状が出始めた方は、骨盤矯正や骨盤ベルト、産後の体操など対処も早く改善もしやすいのですが、筋力が弱ってしまった頃にでる痛みは改善にも時間がかかるのです。「リラキシン」は、なくてはならないホルモンです。このホルモンと上手に付き合うことが妊娠中のポイントなのかもしれません。

(千里)