明日は満月。助産師ならではのわくわくする日

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5月3日は満月。助産師ならわくわくする日の一つでもあります。というのも、満月はお産が多い日なのです。私が勤めていた助産院では超音波診断装置はなく、助産師の感でお産の時期を推測していました。「感」といっても知識と経験に基づいたものでベテランの助産師ほどこの推測、面白いほど当たるのです。

例にもれず私もいつ陣痛が始まるか、赤ちゃんと対面する時間帯をお母さんと一緒になって考えます。「この日が満月だからこのあたりかな~。満潮はこの時間だよ~。」とても科学の発達した現代とは思えない話が飛び交います。助産師の手元にはいつも旧暦のカレンダー、サーファーや釣りを楽しむ人のように潮見表が・・・。

けれど、どんなに条件がそろっていたとしてもなかなかお産が進まないときも。そんな時は家族の方にそっと聞きます。「この週末は何か家族の用事がある?」すると大概、週末には上のお子さんの参観や運動会が・・・。「それならこの週末には生まれないね~。」とまた、科学的根拠のない会話が始まります。

一度始まった陣痛がなぜか弱まり遠のくこともあります。そんな時は、お父さんの勤務終了時間に合わせてまた陣痛がはじまりお父さんが出産に間に合うことも。すべてがうまくいくわけではありませんが、赤ちゃんが生まれてくる時期を選んでいる。そんな風に思えるのです。

すべての出会いには意味がある。そのタイミングもしかり。お産から遠のいた今でも旧暦のカレンダーを手にわくわく心躍らせています。

(小山)