出産後、簡単な計算ができなくなるのはなぜ?

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出産を終えた身体は無意識に赤ちゃんに向けられるようになっています。その体の変化は妊娠中からはじまっているのですが、赤ちゃんを目の前にした数日は特にその働きがピークとなります。

「体重をはかってください」入院中にはよくこんな風に声をかけられます。そのほとんどが母乳をあげる前後に行われ、赤ちゃんがどれだけ母乳を飲んだのか体重差ではかるためなのですが・・・。

あれ・・?いくつだったかな?単純な引き算ができないのです。計算機を体重計の横に置いて計算しやすくしても、なぜか、計算が合わない。かと思えば、「~してくださいね」と言われ「はい。わかりました。」と返事をした直後に、あれ?なんていわれたのだろう?と思い出せない。

これ、お産の疲れや注意不足ではなく、母体の神秘なのです。すべての意識が赤ちゃんに注がれるようにあえて赤ちゃんのお世話以外への関心が薄れているのです。

産院では、入院期間に色々なことを覚えて帰っていただけるよう退院指導や授乳指導、沐浴指導など様々な教室が開かれる場合もあります。けれど意識が赤ちゃんに注がれているこの時期に多くのことを学ぼうとしても無理な話。帰宅すると指導されたことがさっぱりわからないなんてこともあります。

だからこそ、帰宅し少しずつ生活に慣れ始めた時に改めておっぱいのお手入れ方法や赤ちゃんの様子、必要なケアについてゆっくりと聞ける機会があれば自然と子育てに心の余裕が生まれるのではないでしょうか。今あるいのち、そしてこれからつなぐいのちのために寄り添うことができればと思います。

(小山)